Rose Topics No.8


  優しい色合いを見せるラ・フランス


 
  四季咲き性のラ・フランス((La France)が秋空に優しい色合いのピンクを彩っています。

 透き通るような秋の青空との共演は心を和ませてくれますね。

 このピンクの『ラ・フランス』には人間の飽くなき夢と欲望の物語があります。

 薔薇と人間との関わりは紀元前からあり、クレオパトラなどは、薔薇にどっぷりと、はまった生活をしていたようです。花びらを宮殿の床に敷き詰めたり、お風呂に入れて、香りと共に楽しんだとか・・・。

 1800年に入り、薔薇づくしの生活を楽しんでいたナポレオンの皇后(Josephine)によって、世界中から薔薇の原種を集め、彼女の園芸職人によって、交配が盛んに行われました。

 中でも、中国からのRosa chinensisとRosa.giganteaとの交雑種の導入は、1年を通して薔薇の花を楽しみたいという、人間の飽くなき欲望の、四季咲き性の薔薇の作出となっていくのです。

 その結果として、四季咲き性のハイブリッド・パーペチュアル(Hybrid perpetual)が生まれ、中国原産のロサ・オドラータから生まれたバラを、ティー(紅茶)のような香りがすることから、ティーと名づけ、この両者の交配から劇的なバラが誕生するのです。

 これが、ハイブリッドティ(HT)Hybrid teaと言われる四季咲き性の大輪バラ、『ラフランス』の誕生になるのです。

 『ラ・フランス』は、1867年にフランスのギョー(Jean-Baptiste Guillot)によって四季咲き性の大輪バラとして作出なされるのです。

 この『ラ・フランス』の作出を境に、以前のバラを『オールドローズ』(Old Roses)、誕生以後のバラを『モダンローズ』(Modern Roses)と区別するようになりました。

 話が長くなりましたが、『ラ・フランス』と言うバラはバラの歴史上、とても価値あるバラなのですね。



 嫌みのない、ティーの香りを放つバラを見ていると、遠い紀元前からの夢の達成すら見ているようにも思えます。

 バラの背後に隠された物語は思いを巡らすだけで、ワクワクするものなのです・・・。
 
   
 ☆画像はクリックで大きくなります。

■ナポレオンの皇后(Josephine)

 
BMW/X3 八ヶ岳南麓・秘密基地のバナーです。
inserted by FC2 system